10月19日、劇場の暗闇で息を呑んだあの日を思い出す
10月19日、劇場の暗闇で息を呑んだあの日を思い出す
冷たい秋風に吹かれながら歩いていて、ふと今日の日付を意識した。10月19日。劇場の暗闇で、息をするのも忘れてスクリーンを見つめていたあの日から、もう8年が経つ。
削り合ってでも届かせたい手
ReflectionからDetonationへ続く戦いで、何より胸を抉られたのは、なのはがどこまでも「自分を勘定に入れない」戦い方を選び取ってしまう危うさだった。
1期でフェイトの手を握りたくて全力でぶつかったときも、A’sで闇の書に立ち向かったときもそうだったけれど、Detonationでの彼女は極限だった。フォーミュラモードを起動し、肉体が軋みを上げているのが画面越しに伝わってくるのに、レイジングハートの駆動音とともに、暴走するイリスの懐へと突っ込んでいく。「助けたい」という純粋すぎる願いが、自分自身をすり減らす刃になっていく姿を直視するのは、正直に言って怖かった。
傷だらけの覚悟が残したもの
でも、だからこそフェイトやはやてが、そして仲間たちが彼女の隣に並び立とうとする理由が痛いほど理解できた。StrikerSでかつて大怪我を負った過去が語られたときもそうだったが、高町なのはという人間は、誰かが泣いているのを放っておくくらいなら自分が傷つく方を選んでしまう。その不器用な危うさを全部抱えたまま、それでも誰かの心に踏み込もうとしたのが、あの映画の結末だった。
限界を超えて放たれた砲撃のあとに差し伸べられた手は、決して綺麗なだけの救済じゃない。痛みを伴うからこそ、今でも10月19日を迎えるたびに、あの劇場の座席で拳を握りしめていた自分の熱を思い出す。

コメント
コメントを投稿